リズキー ループを飛ぶ

 安藤美姫さん、見てますか?

リズキーが、ついにISU公認の国際試合で三回転ジャンプを飛びましたよ

 

テレビ番組の企画安藤美姫さんが訪れたインドネシアフィギュアスケート少年、リズキー

ジュニアグランプリシリーズ第四戦、カナダ、リッチモンドでの試合で、初めて三回転ジャンプを飛ぶことに成功しました

 

飛んだ三回転ジャンプはまさかのループ

トリプルループを飛びました

しかも、ショートで一回、フリーで二回

ショートもフリーも一つはコンビネーションジャンプとして飛んでいます

GOEは、マイナスですけどね

これまでの大会でも試みてはいたのですが、ダウングレードや回転不足で認定されていませんでした

それが今回は、三回試みてすべて回転不足なし、転倒もなしで三回転ループとして認定されています

 

しかし、まさか、トーループでもサルコウでもなく、ループが最初の三回転になるとは思いませんでした

これが、男女を通じて、インドネシア選手初の、三回転ジャンプの認定、になるでしょうか

 

 

スコアとしてはショートが33.52フリーで63.36 トータル96.88はいずれもベストスコアです

これでトータル100点が見えてきました

同クラブで一学年下の少女サビカに負けていたのもこれで解消

ただし、ショートの技術点は14.99しかなく、この点ではまだサビカに負けています

フリーの技術点も24.98で、サビカの25.06に負けています

プログラムコンポーネンツの係数が男子は1.0なのに女子は0.8であることによって助けられていますけど、総合的にはまだ、女子のサビカより上とも言い切れない水準だったりします

 

彼はジャンプ以外の課題が多いんですよね

今回のショート、GOEがマイナスとはいえ、トリプルループ-ダブルトーループのコンビネーションが入り、ダブルアクセルも認定されているのに、技術点が14.99

何がダメって、スピン三つのうち最後のスピンはノーカウントの零点

後のスピンもレベル2とレベル1

ステップもレベル1

全要素でGOEはマイナス

ジャンプ以外の要素、ステップとスピン三つで5.31ポイントしか取れていない

 

フリーでもスピンはレベル1一つとレベル2二つ

ステップがなんとかレベル2がとれました

ただ、やはりGOEはほとんどマイナス

ジャンプが飛べなくてもスピンステップで確実に点を取っていくサビカとは対照的です

正直なところ、演技そのものはサビカの方が美しい、と言わざるを得ません

 

この辺は性格的なものなんでしょうか

出来ることを確実にやるよりも出来なさそうなことにどんどんチャレンジしていくタイプ

出来なさそうなことはおっかなびっくりでできることは着実にやるタイプ

両方かね揃えるのはなかなか難しい

 

リズキーは次はループでGOEが0以上になることを目指す、というよりは、トーループサルコウを飛べるようになる、というのが先なのかもしれませんね

三回転が複数種類飛べれば、多少GOEがマイナスでも、技術点はだいぶ上がっていきます

その次に三回転五種類をそろえる

 

現在15歳、インドネシアの学制はわかりませんが、日本のそれに従えば中学3年生相当ですから、体力的にはこれから伸びていく時期です

この先1~2年で三回転ジャンプを5種類そろえて、いよいよトリプルアクセルへ、という風につないでいけるかどうか

出来ればスピンやステップもレベルを上げて、きれいに滑ってほしいのですけど、それは二の次になるんですかね

 

国際大会で三回転のジャンプを三回飛んで、すべて回転の不足なく認定された、というのは今後の自信になるでしょう

 

番組企画の単発で終わらせずに、できれば安藤美姫さんには、今後も彼らに付き合ってほしなあ

長期企画として番組が追ってもいいです

オリンピックは難しいかもしれませんが、世界選手権にまでならかなりの確率でたどり着けるのではないかと思います

国内ナンバーワンですから、あとはミニマムスコアさえとることができればよいわけです

時間はかかりそうですけどね

 

あと、試合の時のリズキーは、ひょうきんメガネではありません

メガネを外した、南国育ちのはにかみ屋な少年です

 

 

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サビカ ジュニアグランプリ18 ブラティスラバ

サビカと安藤美姫

 

ジュニアグランプリシリーズ18前半戦

フィギュアスケートは8月から新シーズンがすでに始まっています

まずはジュニアから

ジュニアのグランプリシリーズは全7戦中4戦までが終わりました

 

今シーズンは、女子の日本勢はかなり苦戦していますね

紀平、山下の二選手がシニアに抜けたことで、確かにやや苦しい陣容になるのはわかっていましたが、ここまで苦戦するとは思いませんでした

どの大会でも、ロシア勢に次ぐ三番手は確保できるかな、ほとんどみんな四位には入って二戦目の権利は取るんだろうな、と思っていましたが、全然甘い・・・、という結果になってきています

 

四戦目までで表彰台に乗ったのは二戦目の吉岡詩果と四戦目の住吉りをんの二人だけ

それも、二人とも三位での表彰台でした

 

 

まず初戦、スロバキアのブラティスラバで開催

現ジュニア勢ではエース格の横井ゆは菜がまさかの6位

何がダメってショートが悪すぎました

単独フリップの出来が悪くて減点、だけならまだしも、コンビネーションの一つ目が2回転になって上に、二つ目は3回転の回転不足、さらに転倒

技術点24.37 合計51.65の9位スタートでは、さすがに苦しすぎました

フリーはルッツが一つ回転不足になったくらいで、ミスの少ない演技で技術点66.41の合計121.50とフリーだけなら2位の点数を出しますが、総合では6位どまり

 

彼女は、ショートが悪くてフリーで挽回、というパターンが多すぎます

昨年の全日本ジュニアもこのパターンでなんとか全日本進出

世界ジュニアもこのパターンで6位入賞でした

ショートフリー両方そろった、と満足して言えるのは昨シーズンの全日本くらいでしょうか

 

彼女だけでなく、この近い世代にはショートがダメでフリーで挽回、というのが定番になっている選手が結構いるような印象です

一つ年上の三原舞依選手なんかも、割とその傾向があって、昨年の世界選手権はフリー大挽回の5位でした

二本そろわない、というのはなんとなくわかるんですが、このショートが苦手、というのは今一つわからないですね、どういう感覚なのか

現代のフリーは、どの辺が自由なんだ? というくらいにフリー感はなくて、ロングプログラム、という呼び方の方が確かにしっくりくる、という感じがします

なので、自由に演じる方がうまく滑れる、という理由でフリーの方が得意、みたいなことは基本あり得ないと思うのですね

ショートとフリーでは、ジャンプの数が倍以上違いますし、時間もだいぶフリーの方が長くなります

したがって、ごまかしがきかないのがフリー、ということに論理的にはなりそうなのですが、ショートでミスがぽろぽろ出るのに、時間が伸びてジャンプの数も増えるフリーの方がミスが少なくなる、というのはなんなのでしょうか

緊張感と開き直り、という関係なのですかね

だとすると、場数とかでどうにかなるものなのでしょうか

 

まあ、ジュニアに限定すれば、ショートプログラムは単独の三回転ジャンプの種類が決まっているので、そのジャンプが苦手な場合、またコンビネーションジャンプのリカバリーが効かないというプレッシャー、また、コンビネーションジャンプに難しいルッツを持ってこないといけない構成になる、などの理由で、ショートの方がやりにくい、ということが論理的にありえるはありえるのですが

それにしても、もうちょっと何とかしてほしいところ

 

やろうとしていることの難しさは、ここまで出場した日本人選手の中ではやはり群を抜きます

ショートで1.1倍になる最終ジャンプにコンビネーションを持ってきたのは彼女だけです

フリーでも1.1倍の最後の三つに3-3-2とダブルアクセル-トリプルトーループ さらに、単独ジャンプでも一番基礎点の高いルッツを入れ込んできています

フリーのプログラムコンポーネント55.09もここまでの8選手の中で最高です

 

強い個性があって、近い世代に強い選手も多いです

同い年で、樋口、坂本、横井、と三人並び立つ、くらいの選手になってほしい、というかなれるはず、と思って見ているのですが、もう一押し結果が出てきてくれないですね

今シーズンはジュニアグランプリファイナル! と期待していたのですが、この一戦目6位で、ファイナルどころか、二戦目に派遣してもらうことも出来なくなってしまいそうです

 

もう一人出場した川畑和愛は、ショート58.89の5位スタートで、フリーが114.95の6位、総合5位でした

フリーは最初のコンビネーションジャンプがしっかり決まったのは良かったのですが、次のダブルアクセルが前向き着地になってしまうなど、いくつかミスが見られました

力的には60-120の180点くらいは出せそうですね

四位が177.22でしたので、横井さんも川畑さんも、あと一つ、何かがうまくいっていれば、グランプリ二戦目がもらえるところだったのですが残念でした

 

 

二戦目はオーストリアのリンツ開催

吉岡詩果がショート56.11フリー113.71トータル169.82で3位表彰台です

ショートもフリーも小さなミスはあったのですが無難にまとめたという感じだったでしょうか

Kiss&Cryで、得点が発表された後の、大げさにはしゃぐでもないのだけどうれしさが抑えきれない表情、というのがとても印象的でした

もう少し加点要素が入ると点が伸びるのですが、GOEで+4以上をつけたジャッジがショートもフリーも一人もいませんでした

そのあたりが次の課題なんだろうなと思います

もう一人出場の滝野莉子はショート50.00フリー97.07のトータル147.07で7位でした

一昨年は全日本に出場したりしてますし、こういうレベルの選手ではないんですけどね

見た目の子供っぽさが抜けてきているので、たぶん身長が伸びたり、体形が変化していっている途中なのでしょう

ショートではダブルアクセル以外の三つのジャンプで回転が不足して一つ転倒

フリーも回転不足三つとフリップが二回転にダブルアクセルがシングルになったのと転倒一つ

転倒以外は飛べているように見えるんですけどね

よく見ると回りきっていない

とにかくジャンプに苦しんでいるようですが、時が解決してくれるんじゃないかと思います

ショート最後のレイバックスピンは美しかったです

 

 

三戦目はリトアニアのカウナスで行われました

岩野桃亜がショート53.49フリー100.45で総合153.94の5位

ショートはコンビネーションが入らず単独ジャンプのフリップも回転不足

これでよく点が残ったな、という感じなのですが、スピンステップはすべてレベル4でした

GOEが平均+3ついたステップや、+5を二人がつけた最後のレイバックスピンなどは、再生もう一度、としたくなるような出来でした

フリーもジャンプのダウングレードが2つに回転不足一つ、転倒付き

こうなるとやはり点は伸ばせないんですけど、最後のレイバックスピンはGOE +5をつけたジャッジが4人いたり、随所に良さは見せてくれました

 

もう一人の出場は横井きな結

横井ゆは菜の妹が今シーズンからジュニアに上がってきました

ショート45.68フリー81.30 合計126.98の14位

この年でロクサーヌのタンゴかぁ、と思ったりもしますが、横井家ならば許される気もします

3-3が入らず、スピンはフライングの着地で失敗し、単独フリップは回転不足

なかなか苦しいジュニアデビュー戦

3-3がサルコウからの入り、というあたりも、まだまだ感がありますが、ロクサーヌの雰囲気は感じさせてくれました

フリーはトリプルアクセルチャレンジも不発

後半のジャンプは最後は1回転が二つ続きスピンもレベル1など散々な出来でした

ショートがこの点数だと、全日本ジュニアではフリーにも進めない水準なので、この先立て直しが必要そうです

もはや失うものが何もない、というこの局面でトリプルアクセルに挑んだのは良かったと思います

 

四戦目は北米のカナダへ飛んでリッチモンドで開催

住吉りおんがショート55.07フリー119.89のトータル174.96で3位表彰台に乗りました

ショートは3-3の二つ目のジャンプで回転が足りず転倒。もう一つ、スピンのあとの何でもないつなぎの部分で転倒したり、もったいない部分もありましたが、他の要素はすべてGOEで+2以上つく出来で踏みとどまりました

フリーは出だしでフリップ-ループの3-3を決めるなど、いい出来でした

一昨年ノービスAで優勝したにもかかわらず、昨シーズンは全日本ジュニアにも出られず悔しい思いをしたりしていましたが、ここにきて結果を出しました

ショートもフリーも割と定番曲を使っていて、今シーズンは勝負、という意識もあるのでしょうか

これで最終7戦目の出場権も回ってきました

 

 

もう一人の出場は青木祐奈

ショート54.91フリー99.43 トータル154.24の7位に終わりました

ショートはとにかく、不発に終わったトルプルルッツ-トリプルループのコンビネーション

これにつきます

これさえ決まっていれば60点を大きく超えるスタートになったのですが、ループが1回転になると必須要素不足でGOEも-5

他の要素は悪くなかっただけに、非常に残念でした

フリーは2回転になるジャンプが3つ出るなど、全体的にうまくいかず、100点に届かず沈んでしまいました

ただ、出だしのトリプルルッツ-トリプルループのコンビネーションは成功させ、会場を沸かせました

観客が少ない日本以外の国でのジュニアの試合で、会場が沸くというのは珍しいことです

 

彼女もノービスAでは優勝した逸材なのですが、その後長く低迷してしまっています

彼女の学年ではジュニアに上がるころは本田真凛と青木祐奈で双璧、という感じだったのですが、その後彼女に代わって白岩優奈がその位置にいる感じです

今回、結果としてはいまいちでしたが、久しぶりにルッツループも決まり、少しづつ戻ってきているな、という感じはあります

 

 

ジュニアグランプリの前半戦、女子は全体的に苦しんでいますね

ショートでは60点を超える点数を出した選手がここまでいません

川畑和愛の58.89が最高

彼女にしてもコンビネーションの二つ目が回転不足ですし、ノーミスの演技、というのがここまで8人誰もできませんでした

フリーは横井ゆは菜の121.50が最高

さすがにその辺は今のジュニアのエース格という感じではあります

 

全体的にショートプログラムの出来が悪いです

出場8人中、ショートプログラムで3回転-3回転のコンビネーションジャンプをしっかり決めた人は一人もいません

 

最初から3回転-2回転になったのが一人

コンボが入らず単独ジャンプになってGOE-5が一人

3回転-1回転になってGOE-5が一人

2回転-3回転になって、かつ、3回転が回転不足なのが一人

3回転-3回転の一つ目も二つ目も回転不足なのが一人

3回転-3回転の二つ目がダウングレードなのが一人

3回転-3回転の二つ目が回転不足なのが二人

 

状態として一番ましだった、3回転-3回転の二つ目が回転不足、というので済んでいた二人が、結果的に表彰台に乗っている、というのは偶然というものではないのでしょうおそらく

 

フリーの3回転-3回転は決めている選手が多いのですけどね

最高難度のルッツループ加点付きで飛んだ青木祐奈のほか、後半に3-3-2で決めた横井ゆは菜、ルッツ-トーループでジャッジの全員がGOE+3以上を付けた川畑和愛、また表彰台に乗った吉岡、住吉両選手も当然のように加点付きの三回転-三回転を決めています

ショートと違って、フリップからのコンビネーションにも出来る、という楽さはありますが、青木、吉岡、川畑の三選手はルッツからのコンビネーションでフリー冒頭のジャンプとして決めています

これがショートからしっかり決められるようになれば、試合展開はずいぶん違ったものになってくるのですけどね

 

 

全日本ジュニア、全日本、世界ジュニア

この先どうなっていくでしょう

全日本ジュニアは全体の平均レベルが高いので、ショートであまり失敗すると、フリーで挽回の前にフリーに進めず消えてしまう可能性があるんですね

一方で、今年は昨年までのように突出した上位もおらず混戦模様でしょうか

ここ二シーズン優勝スコアは190点台なのですが、今シーズンは170点台まで下がってくるかもしれません

そうなると、まさかのノービス勢優勝、なんていう展開もあったりなかったり

ただ、慣れない海外での試合と違い、馴染みのある顔だけで集まる国内の試合なら、ノーミス演技で180点を超えてくる選手の一人や二人はいてくれるでしょう

 

全日本へ進める7位までの争い

そして世界ジュニアの3枠を目指す戦いも、この先熾烈そうです

 

 

 

 

東工大 学費値上げ

東京工業大学が授業料の値上げを行う、との報道がされている

従来年額535,800円だったものを、学部、大学院共に635,400円へ値上げする

国立大学の授業料は文部科学省令で標準額が定められているが、その1.2倍を上限に自由に設定することができるとされている

実際に標準額以上の学費を設定するのは、学部では東工大が初であるという

 

そもそも国立大学の学費、というのは全国一律ではなく、上限はあるものの自由に設定できるんですね、ということを初めて知りました

その上で、標準を超える額に設定するのが東工大が初めて、というのは、なんとなく確かに理にかなってるんだろうな、という印象です

 

授業料を、「価格」と考え、学生を「顧客」と考えた場合、高い価格を設定しても集客力を維持できるのは、東京大学でしょう

しかしながら、東京大学というのは日本の中ではどうあっても目立つ大学です

東京大学が値上げをして、単独で一番高い授業料になった場合、ひと騒ぎ起きることが考えられます

そういう点で、東京大学はいの一番には授業料を上げにくい

 

逆に、ブランド力の弱い大学では、授業料を上げてしまうと学生が逃げてしまうので、それはそれで普通に、授業料を上げにくいわけです

 

その点で東工大というのは絶妙な位置にいます

目立つ立ち位置は東大が占めてくれている

理工系の上位生に対してのブランド効果は高く、多少授業料が上がったからと言って、よその大学に鞍替えしよう、とはなりにくい

都内の理工系単科大学、というのも、かぶる相手がいない

 

また、理系なのでお金かかるんです、という大義名分も打ち出しやすい

 

 

もっと大きな授業料上昇なら、早稲田や慶應といった私立の有名校に流れる可能性もあるのでしょうが、早稲田の先進理工学部なら授業料1,446,000円+実験実習料100,000円、慶應理工学部で授業料1,250,000円

どちらもまだ二倍水準なので、価格優位性が圧倒的に高いです

 

 

というわけで、価格戦略としてはうまいな、という見立てになるのですけど、国立の高等教育機関としてこれがいい判断なのかどうか、というのは何とも言い難いところ

この授業料値上げが、東工大の財政にどれくらいの影響を与えるのか、というのを、財務諸表なんかを見ながら少し考えてみます

 

公表されている最新の、2017年3月期の財務諸表を見てみると、授業料収益は4,394,899千円とあります

すなわち、約44億円ですね

授業料の値上げ幅は18.6%なので、上昇が満額完了した時点(すでに入学している学生の授業料は維持されます)で、計算上8.18億円ほどの増収になるはずです

報道では、約7.9億円の増収とありますが、学生の増減や授業料免除などで、これくらいの計算誤差が出てくるのでしょう

 

ともかく8億円前後の増収が見込まれるわけです

 

2017年3月期の経常収益は45,047,902千円

すなわち450億円程度

ですから8億円の増収というのは1.8%程度の増収ということになります

収益面では、それほど巨大なインパクトがある、というほどではないようですね

 

別の収入源と比べると、入学金収益が8.9億円ほどとあるので、毎年の入学金程度の増収が見込まれる、ということになるでしょうか

寄付金収入は12億円ありますので、寄付金の三分の二程度になります

寄付を増やして収入を増やそう、みたいな動きがありますが、寄付金を67%増やすのと比べると、授業料アップで増やす方が簡単は簡単かもしれないですね

 

支出側で見ていると、研究経費が61.4億円ですので、研究経費を13%程増やせるという計算です

教員人件費が141億円なので、5~6%ほどを賄える計算です

 

8億円の増収はそれなりに価値があります

ただ、それを、授業料の値上げで賄うことの是非、というのがどうしても問われるわけです

 

金がないと優秀な学生も学ぶことができない

これは、学生にとっても社会にとっても、また大学にとっても損失です

東工大には奨学金制度がいろいろとあります

ノーベル生理学・医学賞の大隈先生の名を冠した大隈良典記念奨学金は5名程度が月額5万円

明治時代の学長の名を冠した手島精一記念奨学金は3名に月額5万円

そのほか、学生支援機構や民間財団の奨学金もありますが、いかんせん、金額が少ない、あるいは募集人数が少ない、さらにはただの借金だったりする

入学金、授業料の免除規定もありますが、学資負担者の死亡や災害にあったことが条件となっていて、いわゆる、ただの貧乏学生には適用されないんですね、なかなか

このあたりをどう拾い上げていくか

 

そこが、課題になっていくんだろうと思います

 

東工大の授業料の値上げは、プライシングという概念からは妥当であり、増収につながるのはまちがいないでしょう

一方で、貧乏学生が学ぶ環境が改善されることも祈ります

 

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書評 儲けの9割は値決めで決まる!

儲けの9割は値決めで決まる! 西田順生

中経出版 206ページ

 

 

話の内容はタイトルそのもの

言いたいことの9割はタイトルで言ってある、という感じの本である

 

同じものをいくらで売るか?

それによって儲けが全然違ってくる

当たり前と言えば当たり前なのだけど、日本の企業、特に中堅以下の企業では比較的弱い考え方であったりするのだろう

営業は売上金額だけを考え、製造は原価・コストだけを考える

その間の利益を考える人間がいない

よく見かける構図である

 

それじゃダメですよ、という話であり、主にはこういうところに意識して値段をつけましょう、という話へつながっていく

本書ではそれを、「裏の売価の6条件」と呼んでいて、

  •  スペック
  •  サービス
  •  数量
  •  時間
  •  値引き
  •  現物

という区分で、コストの意識付け、価値の意識付けをして、価格に反映させましょう、ということを言っている

 

価格設定、価格交渉を多くしていて、慣れてくるとある種当たり前のことであったりするのだけど、慣れないうちはこういう書籍に出会うと、目からうろこ、という感じになったりすると思う

 

特に、別の業界では当たり前だけど、自分の業界では当たり前ではない、というような値付けの慣習というのがあったりもするだろう

 

スペックが変われば価格が変わる、なんてのは、PCのBTOなんかでは当たり前すぎるくらいに当たり前であるが、機械部品メーカーでは当たり前でなかったりするのだろうか

 

卸では、数量がまとまった方が安くなる、というのはおそらく常識であるのだろうけれど、業界によってはバラ売りもセット売りも個当たり単価は同じであるような世界もある

 

特急料金請求は運送業では一般的であるけれど、ITベンダーは短納期だろうとデスマーチが走るだけで、価格同じだったりするだろうか

 

倉庫に物を置くと倉庫代を取られるけれど、下請け業者に外注して作らせたものをしばらく保管させるのは、無料でやらせたりするんだろうか

 

そういったことを考えさせられる

 

載っているのは大まかな事例で、基本的に、その値段をお客さんに飲んでもらうための交渉の話、というようなものはありません

全くないわけではないのですが、大義名分を持てばお客様に通用します、というくらいで、その大義名分が、上記の「裏の売価の6条件」と著者が呼んでいるものになっています

 

書いてあることは、意識付けの話

どこに意識して値段をつけるか

 

そういったことがひたすら書かれています

具体的な事柄が多数出てくるので、その発想はなかったわ、というものも中にはあるでしょう

分野が違う事柄であっても、それは自分のフィールドにも当てはまる、というものもあるでしょう

 

非常に読みやすい本です

製造でも営業でも事業部門長でも中小企業経営者でも、新商品開発者でも、商売に関わる人なら読んでみるとよいと思います

著者のフィールドなんでしょうが、特に製造業に向いた内容です

 

書評 宇宙ビジネスの衝撃~21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ

宇宙ビジネスの衝撃~21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ 大貫美鈴

ダイヤモンド社 264ページ

 

 

宇宙へ行きたい

とは、あまり思わない

 

ただ、宇宙は開拓されるべき、だとは思う

宇宙で暮らす、という選択肢が普通に存在する未来が来てほしい

地球外のどこかに拠点が存在する

太陽系内に広がっていく

アルファケンタウリの近くの惑星に人が住めるかはわからないけれど、やがて太陽系外へも広がっていき・・・

 

それが何百年先か何千年先かはわからないけれど、そういった未来を想像することもある

 

これはそこまでいくための何歩目だろうか

宇宙開拓がリターンの見込める民間のビジネスになってきた、というお話

 

出だしはやはりイーロンマスクに始まり、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、といったGAFA宇宙ビジネスの話へと進んでいく

後半は、宇宙旅行であるとか、月や火星に人が住む、といった古くから宇宙開拓といえばここにつながる、と一般の人が思っているような俗っぽい話も織り交ぜられている

 

全体的、浅く広い、という感じの取り上げられ方であったように思われる

カタログ的に、こんな企業がこんなことをやっていて、こんな市場があって、という話が並び、宇宙旅行なんかに関しても、こんな手段があってそれだといくらくらい、という話や、旅行に付随するあれこれ、宇宙服がどう、宇宙食がどう、みたいな話に広がる

すべて浅く広く、カタログ的に

 

ざっといろいろなことを知っておく、というかある程度把握しておくのにはよいと思う

GAFAが何やってるのか、なんてことが浅く載ってますし

ただ、一つ一つの深さはないです

そういう書籍ではありません

宇宙への浅い興味がある人への入門編、といったところ

ただ、宇宙にかかわる分野にすでにいる人にとっても、自分が直接かかわっているところ以外のことをざっと知っておくにはいいのかもしれません

こういうもので浅くでも触れておくと、実際に情報に接した時の馴染みの速さが違いますし

 

私個人の感覚としては、軌道エレベーターという発想、技術、がもう少し拡がってほしいというか、世界的に取り組まれているのかな、と思っていたのが、案外そうでもなさそうな記述になっているのが少し残念でした

軌道エレベーターとは、地球上空の静止軌道と地球上をつなぐエレベータを言います

その長さは静止軌道までだけ考えると36,000kmですが、実際には遠心力とのバランスを取るために、静止軌道のさらに先まで伸ばすことが求められ、その総延長は10万kmにもおよぶといわれているものです

俗には宇宙エレベーターとも言われます

 

ロケットで宇宙を往復する発想と比べると、この軌道エレベーター構想が実現すると、それこそ世界観がひっくり返るくらいに地球-宇宙のアクセスが一般人でも容易になり、その後の開拓が一気に進むので、宇宙開拓のキーになるインフラだと思っているのですが、まだ世界的には荒唐無稽、という位置づけになってしまうのかもしれません

 

 

宇宙開拓は、夢、としてだけでは限界があります

人工衛星がビジネスとして成り立つことでその打ち上げが盛んにおこなわれているように、宇宙開拓そのものもビジネスとして成り立つことで、その開拓が加速するはず

そういった意味で、国家の威信のため税金を使って、ではなく、また、大富豪が自分の夢のための消費として、でもなく、民間がビジネスとして行っている、という現実は、宇宙開拓へ向けて明るい話であると思います

 

そのあたりのことを、浅く広く、それはつまり、軽く読みやすく、という意味も含みますが、そういった形で読むことができる書籍です

 

 

軌道エレベーター欲しいなあ

 

 

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書評 宇宙旅行はエレベーターで

リズキー あるいはひょうきんメガネ

リズキーという少年を知っていますか?

 

Muhammad Dwi Rizqy APOLIANTO

2003年5月1日生まれ 15歳

インドネシアフィギュアスケーターです

 

先日取り上げた、サビカと同じクラブで練習する男子のジュニア選手です

テレビ企画で安藤美姫が訪れたインドネシアのクラブにいた一人

番組では南海キャンディーズ山里亮太からひょうきんメガネと呼ばれていた彼です

 

放映時はサビカが主役で、彼は男子の中では一番取り上げられていたものの、ちょっとダメな面白い子、というような扱いでした

ただ、実際には彼がインドネシアの男子のトップです

国際大会のベストスコアは彼が持っている77.59がインドネシアの全選手の中のハイスコアになっています

また、春に行われたインドネシアのナショナル選手権もジュニアの部でしっかり優勝しています

ただし、サビカは昨シーズンすでに87.59を出していますのでサビカの方が上ですね

この世代は、女子の方が普通に点が高い、ということがあり得るのは、フィギュア界あるあるでしょうか

 

サビカの話の時に書きましたが、インドネシアフィギュアスケートのレベルは極めて低いと言わざるを得ません

特に男子は、近隣国のマレーシアやフィリピンからオリンピック選手が出ているのと比べてもかなりレベルが低いです

そのインドネシアの男子フィギュア会を、彼、ひょうきんメガネ、もとい、リズキーが引っ張っていかなくてはいけないわけです

 

リズキーは、今シーズンの開幕戦として8月頭のアジアンフィギュアンオープンに出場しました

日本の鍵山優真が174.90のスコアで優勝したこの大会、リズキーはショートプログラム24.80 フリー47.11 トータル71.91の8位に終わっています

ちなみに出場は棄権を除くと10人

彼より下にいたのはインドネシアのもう一選手と、インドの選手の合わせて二人だけでした

 

番組出演時にはサビカと同様に彼も3回転ジャンプの練習をしていたかと思います

また、割ときれいなダブルアクセルを飛んだ映像もあったかと記憶しています

 

しかし、この大会ではダブルアクセルがショートは回転不足のGOE-5 フリーも回転不足なうえにシークエンスでシングルトーループをつけたら、基礎点が1回転半なところにシークエンスで0.7倍されてGOE-5で、得た点数は0.33というひどいものになってしまいました

また、三回転ジャンプはループを二回試みていて、最初のジャンプは回転不足、二回目はダウングレードで転倒、となっています

 

つまり、ダブルアクセルも三回転ジャンプも、まだ満足に飛べない、という現実です

 

また、番組では、ステップがレベル1しか取れてなかった、というところに安藤美姫が、少なくともレベル2、もしかしたら3取れるかも、という振り付けをつけている場面がありました

この大会ではショートプログラムのステップはレベルが付かずBaseValue フリーではレベル1と散々です

 

さらにはショートとフリーで6回あるスピンは、レベル2が二つ、レベル1が二つ、BaseValueが二つ でやはりここでも点が伸ばせません

 

また、フリーではダブルルッツとダブルフリップを二回づつ飛んでいますが、単独のダブルルッツ以外の三回は、いずれも!マークがついていて踏切に問題を抱えています

ルッツもフリップもどちらもについてしまう、というのはなかなかに矯正が難しそうです

 

といったように、サビカよりもさらに問題の多い彼ですが、彼もインドネシアを代表するジュニアとしてジュニアグランプリシリーズにエントリーしています

9/12-15の日程で行われる、ジュニアグランプリシリーズ第四戦、カナダのリッチモンドの試合に出場します

インドネシアのジュニア選手では、第一戦のブラティスラバの試合に一人出場していて、24選手中の24位でしたが、72.46というスコアを出していました

少なくとも、リズキーにはこのスコアは超えておいてもらいたいです

欲を言えば、世界ジュニアに出られるような点数、というのがほしいですが、そこまで到達するのはまだまだ遠い日でしょうか・・・

 

 

 

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アジア大会2018 メダルを取るには?~インドネシアの繁栄

アジア大会2018が閉幕しました

競泳の池江璃花子選手の活躍、陸上山縣選手の10秒00ならぬ9秒997、バスケットボール男子選手の世にも恥ずかしい帰国、などなどで盛り上がりましたが、その辺の話はちょっと横に置きます

 

今回のアジア大会インドネシアで行われました

日本は金メダル75個、メダル合計205個 前回の金メダル47個から大幅に金メダル数を増やした一方で、合計メダル数は200個からの微増でした

 

それはさておき、今回、金メダル数も総メダル数も大きく増やして目立ったのはインドネシアでした

前回は金メダル4個、総メダル数20個でしたが、今回は金メダル31個、総メダル数98個で、どちらも4番目と大活躍でした

 

さて、メダルを取る国、というのはどういう国なのでしょう

いくつかの条件があるのだろうと思います

 

① 人口が多い

② 経済力が大きい

➂ 強制力を持った強化ができる

④ やる気がある

 

このあたりが主な要因で、満たすものが多ければ多いほど良い、という感じでしょうか

最近では、⑤ 国籍変更で人を惹きつける力がある、というのも上げられるかもしれませんが、これは④の範疇に入れてもよいかな

 

 わかりやすいのは①ですね。そりゃあ人がたくさんいた方が才能を持った人間も生まれやすく有利です。アジアでは中国インドがそうですし、その下にインドネシアパキスタンバングラディシュ、日本、フィリピンと続きます。

 こうやってみると、①だけでは足りない。インド、パキスタン、フィリピンあたりは今回もそれほど目立ちませんでした。①を生かすには②が割とほしいわけです

 これはやはり中国日本が抜けていて、総額で見るとアジアではインド、韓国、インドネシアサウジアラビアと続きます。インドは人の数が多いので総額では結構上に来るんですね。

インドネシアも上位です。

 そこに➂が加わると強力です。これは旧共産圏が多くて、アジアでは中国に北朝鮮が双璧、と言ってよいのでしょう。共産圏と言ってもベトナムは入ってこない。世界的にはロシアが中国との双璧なのでしょう。今回のアジア大会では、旧ソ連圏のウズベキスタンカザフスタンは、もしかしたらこの系統の伝統を引きづっている、という可能性はいくらかあるかと思ったりします

 あとはやる気の問題。➂もまあやる気の問題の一種でしょうけど。アジアではサウジアラビアなんかは②はかなり上位で①もそれほど少ないわけではないのですが、この④に決定的に欠ける、というのがたぶん大きいでしょう。確実に、女子選手なんて育てる気ないですし、派遣する気もほんとはないけど世界情勢を鑑みて仕方なく解禁したみたいな感じですし、まったくやる気が感じられません。今回も金メダル1の総メダル数6に終わっていました。

 インドも広い意味ではこれがない。スポーツ選手を幅広く育成しよう、という発想自体がまだなさそうです。クリケットカバディみたいな国民的スポーツはそれなりにやるのでしょうけれど、国家の予算を掛けてスポーツ選手を強化する、というところには至っていないのでしょう。一方で、韓国は、①の人口はまあそこそこいて、②の経済力も割と上位なところで、この④、やる気がかなりあって力を掛けるから、人口も経済力も上な日本よりも、総合成績で上回たりしていっています。

 おまけで追加した⑤は中東の金持ち国、バーレーンカタールですかね。

 

今回の金メダル数上位国を並べてみると

 

1位中国  人口◎ 経済力◎ 強制力◎ やる気◎

2位日本  人口〇 経済力◎ 強制力△ やる気〇

3位韓国  人口△ 経済力〇 強制力△ やる気◎

4位インドネシア 人口〇 経済力〇 強制力× やる気◎

5位ウズベキスタン 人口△- 経済力△- 強制力〇 やる気?

6位イラン 人口△+ 経済力△+ 強制力? やる気?

7位台湾 人口△- 経済力〇 強制力△ やる気?

8位インド 人口◎ 経済力〇 強制力× やる気×

9位カザフスタン 人口△- 経済力△- 強制力〇 やる気?

10位北朝鮮 人口△- 経済力× 強制力◎ やる気〇

 

ここに入らなかった中で、タイは金メダル数12位ですが、総メダル数は5位なので、考えてみると、人口△+ 経済力△+ 強制力× やる気? という感じですかね

 

そりゃあ中国強いよね、というのが一目瞭然。あれだけ人のいる国が金を持って、強制力を持ってトレーニングしてやる気満々。勝てる気しません

 

一方で、ウズベキスタンとイラン頑張ったな、という感じに見えます

イランって本来地域大国ですからねえ、古代から。世界で最初に大帝国作ったのってアケメネス朝ペルシャだし。その後もパルティアにササン朝があって、しばらくアラブに飲み込まれたり、モンゴルに食われたりしたけどサファビー朝で復活。大国の素養はあるんだから、こういう競技会で目立っても全然おかしくない

ウズベキスタンってのは、やっぱり旧ソ連系の流れで、育成システムみたいなものがある程度あるんですかね

 

インドは全体の経済力はあっても一人当たりGDPがひどすぎるから、スポーツにお金回してる場合じゃないんだろうな。マハラジャとかIT成金とかはいるので、個人の金持ちがスポーツに興味を持ち出して、サッカーに流れなければ強くなるかも

 

カタールバーレーンみたいな、国籍変更族は、それだけだと上位十か国には入ってこないようでした。ある種少数精鋭というか、目立つ競技でしかやってないので、総合競技会の総合成績みたいな分野だと上にまでは出てこないんでしょうか

 

 

今回一番思ったのは、インドネシア、本気出したらすごいじゃない、ということだったりします。人口は十分すぎるほどいるし、経済力も人口数に助けられる部分もありつつかなり育ってきました。そこにやる気が加わった結果の好成績。

本気出しても、ある程度の前提条件、人口や経済力がなければ、上位には入ってこられません。2006年にカタールが開催した時には、カタールのメダル順位は9番目でした。ここは人口が決定的に足りないので、経済力があっても、やる気があって国籍変更多用しても、無理なものは無理、ということだったのでしょう

そもそも、ある程度の経済力がないとこの規模の大会は開催できません

これまでアジア大会(夏季)は18回開催されましたが、開催国は9か国しかありません

日本、中国、韓国、インド、インドネシア、タイ、イラン、フィリピン、カタールの9か国です

アジアの中では相対的には国力が上位にいる国が並びます。フィリピン? という感じはありますが、これは第2回の1954年のこと、この時期のフィリピンは、アジア全体の中での相対的地位としては上の方にいました

 

こうやって見ると、そろそろマレーシアあたり頑張れよ、とかカザフスタンあたりも冬季オリンピックに手を出す前にアジア大会やりなよ、とか思ったりもします

 

マレーシアは東南アジアではブルネイシンガポールといった小国に次いで、一人当たりGDPは三番目、1万ドル前後にいて、かなり力がありそうなんですけどね、本来。

東南アジアの地域大国はタイかマレーシアか、という感覚でいたのですが、数の力でインドネシアがのし上がる、って線もあるのかな。元々、バンドン会議を開いたり、第三世界の旗手になるような志向を建国初期には示していた国ですから、大国を目指す意思があるのかもしれないですね

 

そんなことを感じた、アジア大会でした